2011-08-10

松風の書

黄 庭堅
黄庭堅(こうていけん)は、北宋の四大書家のひとりで、草書を得意としました。

これは台北の故宮博物院にある「松風閣詩巻」の冒頭です。
湖北省の樊(はん)山で、鬱蒼とした老松の間にある楼閣に「松風」と名を付けたのでしょうか。

詩は26行と長く、松風閣での交遊をうたい、最後に身にかかる束縛を脱することができようかと結ばれます。

日本人は松風に「松籟」という漢語を当てたがるけれど、本家は案外素直です。
昔は海辺に行くと、必ず「松籟荘」という民宿がありましたっけ。