イタリア在住のAさんより11月1日に届いた写真です。庭に咲いた遅咲きのコスモスとありました。
11月1日は、カトリックでは「万聖節」というすべての聖人の祝日で、2日が「死者の日」。国中の人が故郷に帰って「お墓参り」をするので高速道路は大渋滞です。
30年前、イタリア人の友人家族にさそわれ、私も町はずれの墓地を訪れたことがあります。
日本と同じように「菊の花」を供えることに親近感をおぼえましたが、驚いたのは、階級社会らしく富裕層と庶民の墓のちがいです。
名家のは墓所というべきか、人が暮らせる広さで、門からして豪華で何部屋もあり、ロミオとジュリエットの映画にでてくるみたい。
一方、貧民の墓は、柩を縦に積み重ねただけのアパート形式。友人は「6階」の母親の柩に梯子をかけて、お燈明と花をあげていました。
コスモスは「秋桜」ともよばれ、風になびく優しいイメージがありますね。でも、Aさんのコスモスは、初冬の陽光にまっすぐに顔を向けています。
生老病死、年を重ねるごとに周りの人の病死に付き合うことも多くなりました。冬の日差しがつくづく有難いこのごろ。